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青才 大介*; 山本 祐平*; 水野 崇; 石神 徹*; 松山 秀人*
Colloids and Surfaces A; Physicochemical and Engineering Aspects, 461, p.279 - 286, 2014/11
被引用回数:10 パーセンタイル:24.86(Chemistry, Physical)地下水中のコロイドを対象とした研究では、サンプリングの過程における大気への暴露や圧力解放よりコロイドの特性が変化することが問題となっている。本研究では、原位置の環境を維持した状態で地下水を限外ろ過しつつ、コロイドをサンプリングする手法を開発した。また、開発した手法を瑞浪深地層研究所の地下施設から得られる地下水に適用した。その結果、地下水中のコロイドは主にFe, Al, Mg, Siから成る無機コロイドおよび有機コロイドからなり、様々なサイズに分布していることがわかった。また、これらのコロイドが希土類元素と錯体を形成し、特に10kDaから0.2mの画分に存在するコロイドと軽希土類元素が錯形成していることが明らかとなった。
向井 雅之; 田中 忠夫; 湯川 和彦; Suryantoro*
原子力バックエンド研究, 12(1-2), p.41 - 51, 2006/03
地下水中におけるコロイド共存下での放射性核種の移行を評価するため、計算コードを作成した。ラテックスコロイドを海岸砂及び赤色土カラムへ流入する実験を行い、流出曲線に対する4種類の多孔質媒体中コロイド移行モデル(瞬時平衡反応モデル,1次反応速度モデル,ろ過モデル,付着容量に制限を設けた1次反応速度モデル)の適用性を検討した。海岸砂からの流出曲線は、瞬時平衡反応モデルでは破過のタイミングと相対濃度1への到達速度とを同時に表すことが困難である一方、ブロッキング現象を模擬したモデルの1つである1次反応速度モデルでは流出曲線を良好に再現できた。赤色土からの流出曲線には、コロイドを繰り返し流入させたことに対応してコロイド流出濃度が階段状に高くなる特徴的な挙動が観察された。可逆的な瞬時平衡反応モデル及び1次反応速度モデルではこの挙動を表すことができなかった。しかしながら、ろ過に非可逆的な容量制限を設けた1次反応速度モデルにより特徴的な流出曲線を再現可能であった。天然バリア中の核種移行に及ぼすコロイドの影響を評価するモデルの基盤となるコロイド単体の移行モデルが実験結果に基づいて確証できた。
橋本 和幸; 松岡 弘充
Radiochimica Acta, 92(4-6), p.285 - 290, 2004/07
被引用回数:1 パーセンタイル:9.98(Chemistry, Inorganic & Nuclear)リン酸基を含む有機配位子を放射性レニウムで標識した化合物は、骨へ集積するために、骨がんの疼痛緩和薬剤としての利用が期待されている。これまでの種々のリン酸基を含む配位子のRe標識化合物の研究から、Re担体の有無により、標識率や安定性及び骨の無機質の主成分であるヒドロキシアパタイトへのRe-EDTMPの吸着挙動に違いがあることがわかった。この要因として、「担体の有無による化学形の違い」が考えられるが、Re標識リン酸化合物の化学形に関しては、無担体の化合物の知見が全くないため担体の有無による化学形の比較・考察ができない。そこで本研究では、Re-EDTMPのHPLC(高性能液体クロマトグラフィー)及び限外ろ過膜を用いた分析を行い、化学形に対するRe担体の影響を調べた。その結果、Re-EDTMPは、複数の化学種の混合物であり、担体の有無によりその化学種分布が異なること,その分子サイズの分布も、担体の有無により異なることなどがわかり、担体の有無によるRe-EDTMPの化学形が違いを実験的に初めて明らかにした。したがって、担体の有無による標識率,安定性及びヒドロキシアパタイトへの吸着挙動の違いの要因は、担体の有無による化学形の違いであると結論付けた。
鎮守 浩史*; 長崎 晋也*; 田中 知*; 坂本 義昭; 武部 愼一; 小川 弘道
Journal of Nuclear Science and Technology, 38(8), p.645 - 654, 2001/08
被引用回数:3 パーセンタイル:27.07(Nuclear Science & Technology)地層中のコロイドでの移行挙動を実験的、理論的に考察するため、固相粒子充填カラム中でのコロイド粒子の固相表面への付着率に与える流れ場の影響について調べた。ガラスビーズを詰めたカラム中のラテックス粒子の破過曲線から、ラテックス粒子の付着効率を求め、この付着効率の流速依存性について、コロイド-固相間相互ポテンシャルの障壁を超えて付着する流れ場の効果を考慮したモデルにより解析を行った。
小林 師; 村田 栄一*; 澤幡 佳和*; 斎藤 晶*
JNC TN8430 2001-002, 43 Pages, 2001/02
現在、東海再処理施設内で建設計画を進めている低放射性廃棄物処理技術開発施設(以下LWTF)の液処理系プロセスでは、低放射性廃液中の塩(NaNO3等)と放射性核種を分離し、それぞれ「硝酸塩蒸発固化体」、「スラリー蒸発固化体」として保管・貯蔵される。このプロセスにより、従来の「アスファルト固化法」に比べ、大きな減容比を得ることができる。本報では、このLWTF液処理系プロセスと同様の処理を工学規模の装置を用いて行い、過去の基礎試験結果から得られたLWTF運転上の設定値との比較を行った。その結果、LWTF液処理系プロセスにおける「ヨウ素不溶化・プレフィルタろ過工程」、「限外ろ過(I)工程」、「前処理工程」、「共沈・限外ろ過(II)工程」、「共沈・限外ろ過(III)工程」のそれぞれの工程において、LWTF運転上の設定値が妥当であることを確認した。
田中 忠夫; 小川 弘道; 村岡 進
Materials Research Society Symposium Proceedings, Vol.663, p.1169 - 1177, 2001/00
海岸砂質土壌及び赤色土中におけるAm(III)の移行挙動をカラム実験によって調べた。可逆的なイオン交換吸着が支配的な赤色土中におけるAmの移行挙動は、分配係数の概念を吸着モデルとして評価できた。一方、非陽イオン性Am化学種の形成や非可逆的な吸着が認められた海岸砂質土壌中におけるAmの移行挙動は、分配係数では解釈できず、粒子状Amのろ過に基づく吸着モデルで説明できることを明らかにした。
実方 秀*; 新津 好伸*; 久野 剛彦; 佐藤 宗一; 黒沢 明
JNC TN8410 2001-002, 66 Pages, 2000/12
再処理施設から発生する高放射性廃液(High Active Liquid Waste:以下HALWと略記)中の微量プルトニウム分析法として、従来の吸光光度法よりも低濃度域における測定に優れ、査察側検認分析法としての応用が期待される高感度吸光光度法(High Performance Spectrophotometry:以下HPSPと略記)を検討した。コールド試験では、プルトニウム代替物質としてプルトニウム(VI)の吸収波長近傍に吸収ピークを示すネオジムを用いてピーク強度算出方法の検討を行ったところ、3波長法が本法において有効であった。硝酸プルトニウム溶液の測定では、011mgPu/Lにおいて信号強度との間に良好な直線関係を有することがわかった。さらに実際のHALWの組成を模擬してマトリクスを複雑にした溶液(模擬HALW)にプルトニウムを添加した試料の測定を行ったところ、同様に011mgPu/Lについて良好な直線関係が得られた。また、HALWにプルトニウムを標準添加した場合も同様に良好な直線関係が得られた。本法は、サンプル中の硝酸濃度、スラッジ及び共存元素による影響を受けることから、それぞれの依存性について調査したところ、硝酸濃度24mol/Lで測定値が約14%変動することがわかった。またスラッジについては、ろ過による除去が必要であり、共存元素については光学調節によるベーススペクトルのバランス調整によって影響を排除することができた。低濃度プルトニウム試料を測定する場合については、ピーク強度とノイズ成分の比(S/N比)が相対的に小さくなることから、積算平均化法、単純移動平均法、フーリエ解析法によるスペクトルのS/N比向上を検討した。検討結果から、積算平均化法と単純移動平均法を組み合わせて用いることが本法の特性上最適であり、硝酸プルトニウム溶液測定時における検出限界値は0.07mgPu/Lとなった。また、プルトニウム含有模擬HALW溶液を測定した時の検出限界値は0.2mgPu/Lであった。さらに、実際のHALWを用いた場合についても、検出限界値は0.2mgPu/Lであることが予想される。
田中 泉; 吉元 勝起; 神 晃太*; 木村 光希*; 岩佐 和宏*; 大森 二美男*; 吉田 秀明*
JNC TN8440 2000-013, 179 Pages, 2000/04
プルトニウム転換技術開発施設は、昭和58年にプルトニウム試験を開始して以来約13年間運転を継続し、約12tのプルトニウム・ウラン混合酸化物粉末の製造を実施してきた。プルトニウム転換技術開発施設は、設備の経年劣化による設備更新を実施し、平成56年にかけて第1回設備更新として焙焼還元炉及び廃液蒸発缶等の更新を実施し、平成1011年にかけて第2回設備更新として脱硝加熱器、混合機、換排気設備等の更新を実施した。撤去設備の細断は、第2回目の更新工事において撤去したフィルターケイシング、分析グローブボックス等を細断し放射性廃棄物として処置したものである。またすでに処置された不燃性固体廃棄物のうち、プルトニウム含有率の高い大型廃棄物についても開梱を実施し、粉末等の回収を行った。本報告書は、細断工事の実施結果について工事方法、被ばく実績及び本細断で得られた知見(セル・グローブボックス系フィルターへの核物質の移行量の推定について、放射性物質の再浮遊係数測定結果)をまとめたものである。
笹本 広; 油井 三和; Savage, D.*; Bille, B.*
JNC TN8400 99-025, 32 Pages, 1999/06
地下水水質形式のモデル化の対象となるサイトや処分場の変遷過程を評価するために地下水データを用いる場合、データを用いる前に、データの品質や目的にあったデータであるかどうかについての評価を行う必要がある。本報告書では、データの品質保証に係わる事項・内容について整理した。その結果、地下水地球化学に関するモデル化を行う上では、以下の点に留意することが必要であると考えた。・どの様にして地下水試料がサンプリングされたか(試錐孔掘削中にサンプリングされた地下水か、水理試験の間にサンプリングされた地下水か、原位置での測定値か、試錐孔からポンプで汲み上げられた地下水か、原位置での圧力状態を保ったままサンプリングされた地下水か)。・掘削水の影響等を受けていない地下水試料をどの様にしてサンプリングしたのか。また、その手法に伴う地下水試料への影響(誤差)は、どの程度なのか。・地下水サンプリングの間に脱ガスの影響を受けていないか。もし脱ガスの影響を受けているならば、もとの状態の(正確な)地下水組成を推定するため、地球化学モデルによる補正がなされているか。・地下水の酸化還元状態の非平衡の度合いを把握するため、キーとなるサンプルに対して、異なる手法(例えば、電極によるEhの測定や酸化還元反応に鋭敏な化学種濃度の測定等)による酸化還元状態の調査が行われているか。・地下水試料の濾過方法はどの様にして行われたか。また、室内での水質分析のために、地下水試料をどの様に保存していたか。・低濃度である溶存アルミニウム(通常、0.2mg/L未満)の測定にあたり、精度良く、再現性のあるデータを得るため、地下水試料の濾過(0.1m)や化学分析について、十分信頼できる方法が採用されているか。・地下水試料の化学分析における誤差や検出限界はどの程度なのか。また、測定値に誤りが無いかどうかを確かめるため、電荷バランスのチェックや全溶解成分に関する測定値と計算値の比較等を行っているか。・キーとなる地下水試料が採取された場所での岩石試料に対して、詳細な鉱物学的分析が行われているか。
進士 喜英*; 狩野 裕之*
JNC TJ7440 99-015, 149 Pages, 1999/03
本報告では、最初に、単孔式場水試験実施時の水位低下量や揚水流量の非定常挙動を予測できる理論解析解の誘導および改良を行い、全層ストレーナー井戸から部分インターバル井戸による揚水試験を扱うことができるようにした。この解を用いて、特に部分インターバル長および設置位置が試験結果に与える影響を評価した。その結果、揚水開始後比較的短い時間経過後の挙動は、インターバル長を帯水層厚さをして考えた(全層ストレーナ井戸による)揚水時の挙動を示し、比較的長時間経過後では部分インターバル長に関係なく全帯水層厚の全層をストレーナ長とした揚水挙動をそれぞれ示すことが確認された。また、その解析手法で用いられる直線勾配法ではプロットに異なる直線部分が複数みられることがあり、この手法の適用には注意を促すことがわかった。これに対して、パラメータスタディの複雑さはあるものの、曲線一致手法では比較的良好に評価できる見込みが確認された。次に、定圧揚水試験後の回復試験結果の整理手法の適用性を評価した。我が国での適用例がないことから、海外の石油工学分野で開発された手法の妥当性を確認し、その適用範囲を明確にした。いくつかのシミュレーション結果(の整理)から定圧揚水試験期間に影響しない井戸貯留が回復試験では極めて支配的な影響を示すことがわかり、回復試験時に井戸貯留項を小さくする利点を示した。最後に、スキン現象のモデル化について既存の文献を調査した。この結果、非定常型単孔透水試験では評価される透水係数はインターバル周辺のスキンの影響を受けるが、揚水試験ではスキンの影響を除外した透水係数を評価できる可能性がみとめられた。
天野 光; 松永 武; 長尾 誠也; 半澤 有希子*; 渡辺 美紀*; 上野 隆; 小沼 義一*
Organic Geochemistry, 30, p.437 - 442, 1999/00
被引用回数:28 パーセンタイル:52.53(Geochemistry & Geophysics)地表に沈着した放射性核種が広域に拡散する機構のうち主要なものは、河川による流出である。本研究は、高度に汚染されたチェルノブイル原子力発電所周辺30km圏内での表面土壌から流域河川への放射性核種の流出について、表面土壌からの溶存態成分の流出について解析したものである。はじめに表面土壌の汚染の特徴、存在形態解析を行い、次いで、表面土壌から水で抽出される成分について、蛍光分析、分子量1万での限外ろ過分析を行った。その結果、超ウラン元素の溶存態成分の大部分は分子量1万以上の成分に在存していることがわかった。この成分は、蛍光分析からフルボ酸の成分であろうことが判明した。Cs-137やSr-90は分子量1万以下が主要成分であった。
天野 光; 半澤 有希子; 渡辺 美紀*; 松永 武; 上野 隆; 長尾 誠也; 柳瀬 信之; 小沼 義一*
Proceedings of OECD/NEA Workshop on Evaluation of Speciation Technology, p.211 - 218, 1999/00
放射性核種の環境中挙動は、その存在形態に依存する。本報告は、Cs-137,Sr-90,超ウラン元素等の環境中における存在形態と移行挙動との関係に焦点をあてチェルノブイル事故炉の周辺30km圏内において原研が行ってきた研究のうち、土壌を中心とした地表面における挙動に関して、実環境における存在形態の実験的な解析手法の評価も加えてとりまとめたものである。
田中 知*; 長崎 晋也*
PNC TJ1602 98-003, 38 Pages, 1998/03
放射性廃棄物の地層処分には、セメント系材料の使用が考えられており、セメント系材料の溶解挙動、核種吸着に関して様々な研究がなされている。セメントを構成するシリカはアルカリ溶液中でコロイド粒子を放出する可能性を指摘されており、その場合セメントの溶解挙動や核種移行に影響を与えることが考えられる。しかしGreenbergらはpHを変化させたシリカ溶液の光散乱実験を行い、pH10.5の溶液ではシリカコロイドの形成はないと結論づけている。そこで本研究ではOPCセメント溶液、シリカ溶液を限外ろ過したフィルターをSEM観察することで、セメント溶解液中にコロイド状の生成物が存在しないことの確認を行った。
H.S.Shin*; J.H.Lee*; E.J.Hwang*; J.S.Shon*; G.N.Kim*; 松橋 信平; 久米 民和
Radiation Physics and Chemistry, 53(5), p.571 - 575, 1998/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Chemistry, Physical)サトウキビ絞り粕バガスの有効利用に関して、照射とキノコ菌処理に対するゴム廃棄物(natural rubber serum powder, NRSP)の効果について検討した。1%のNRSP添加ではわずかであったが、5%添加でタンパク含有が著しく増加した。ろ過時間は5%のNRSP添加で著しく増加したが、液体発酵後の照射処理により著しく減少した。固体発酵における粗繊維含量の悪化は、照射により2.23%から4.45%に、P.sajor-cajuにより0.38%から3.86%に減少し、NRSP添加の効果が認められた。
石井 清登; 大内 一利; 瓜生 満; 森田 真一; 花田 圭司*; 川上 一善; 狩野 元信
PNC TN8410 97-192, 60 Pages, 1997/09
リサイクル機器試験施設(RecycleEquipmentTestFacility以下RETFという)の真空系統に設置された真空フィルタエレメントの交換方法として、汚染拡大防止、作業者の被ばく低減の観点から、カスク方式を採用することとし、今回は、平成7年度に実施した設計を基に主要部分を試作し、原理実証試験を行った。本試験における主要な成果は以下の通りである。1.排出シュートの落下試験においては、フィルタエレメント(収納容器収納後)が問題なく排出できることを確認した。なおこの時の大気圧における落下速度は、4.8m/s、落下所要時間は約2秒であった。2.交換装置のフィルタユニット上部へのセット方法確認では、ガイドフランジがフィルタユニットのガイドテーパにうまくガイドされないため、ガイドフランジのバネが圧縮されセットできない場合があったため、改良の必要がある。3.フィルタ交換メディアのセットについては、概ね問題なく行えることを確認した。4.フィルタエレメントを所定の位置に押し込むために必要な荷重は、最小で37kgであることを確認した。5.ダブルドアフランジ接合時の許容隙間については、隙間は0.8mm、傾きは0.85mmまでであれば気密を保持できることを確認した。
峯尾 英章; 松村 達郎; 西沢 市王; 三井 武志; 植木 浩行; 和田 淳*; 坂井 一太*; 西村 建二*; 竹下 功
JAERI-Tech 96-050, 29 Pages, 1996/11
本報は、アルファ廃液処理設備の基本設計について、プロセス設計を中心に述べたものである。NUCEFではTRUを用いた実験が行われ、TRU廃棄物が発生する。NUCEFの液体廃棄物は3種類に分類され、最も放射能濃度の低い回収水等の発生量が大きいことから、減容処理する設備の必要性を示した。アルファ廃液処理設備は、これを放出できる非常に低いレベルの放射能濃度にまで除染する目的で整備するものである。前提条件となる対象廃液の性状と発生量、建屋スペース及び許認可上の制約等を整理し、必要とされる高い除染係数を考慮して、蒸発法を基礎にこれを補完するプロセスを検討した。その結果、蒸発缶を中心として、限外ろ過、吸着カラム及び逆浸透工程を備えた構成とし、廃液の性状によって、吸着剤と蒸発缶の運転方法を変えて対応することとした。
not registered
PNC TJ1654 96-001, 77 Pages, 1996/07
動力炉・核燃料開発事業団、再処理施設における放射線作業のうち、特殊な放射線作業として位置づけられている非定常作業については、その多くが主にセル内等での高等汚染環境下で実施されている。これらの作業で使用される放射線作業用防護具については、放射性物質に対する高い防護性能が要求される一方、作業者への身体負荷の低減が求められている。放射線作業用防護具は空気中放射性物質の吸入防護のための呼吸用防護具と身体を放射性汚染から防護するための防護衣等の身体防護具に大別されている。今日、原子力分野で使用されている防護具類は一般的にJIS等で規定されているものが広く使用されている。その具体的な使用は各事業者における環境条件、使用条件に基づき運用されており、その防護性能と着用における身体負荷低減の最適化が着目されている。本調査・研究では、今日、原子力分野で使用されている呼吸用防護具および身体防護具についてその使用実態ならびに最適化に向けた開発動向について調査・検討を行った。
都所 昭雄; 沼田 浩二; 廣田 隆; 根本 康弘*; 根本 正行*; 塙 英治*; 吉澤 知幸*
PNC TN8440 96-014, 24 Pages, 1996/04
本廃液処理設備においてプルトニウム燃料各施設から発生した各種廃液を順調に処理することができた。その主な内容は次のとおりである。(1) 本年度の工程中和廃液受入量は923l、スラリ焙焼貫備からは洗浄液として66l、分析廃液は272.8lであり、合計1261.8lである。なお、前年度繰越量である工程廃液103l、分析廃液33.2lを含めると今年度処理対象液量の合計1398lである。(2) その内、今年度の工程中和廃液及び分析廃液の処理量は、それぞれ1068l、240lであり合計1308lとなった。(3) また本年度は、ノンスラッジ廃液処理プロセス開発として進めている、不溶性タンニンを使用した確証試験装置を製作後、グローブボックス内に配置し、実プルトニウム廃液処理試験を開始した。なお、試験装置による処理量は、上記1308l中の約630lであり、年間処理量の約半数量を約2ヵ月で処理することができた。(4) 処理液中の・線放射能濃度は、何れも払出し基準値である5.610-2Bq/ml以下となり、次工程の廃水処理室(プルトニウム燃料第一開発室:R-4)に送液した。
山口 五十夫; 森田 泰治; 近藤 康雄; 山岸 功; 藤原 武; 渡邉 雅之; 溝口 研一*; 瀧ヶ江 良三*; 青山 三郎; 久保田 益充
JAERI-Tech 96-009, 51 Pages, 1996/03
群分離法の開発研究を行うため、年間1.8510Bqの高レベル廃液を取り扱うことのできる試験装置を燃料サイクル安全工学研究施設に1994年完成した。本報は、この群分離試験装置を用いて、脱硝沈澱法、シュウ酸塩沈澱法、溶媒抽出法及び無機イオン交換体分離法を組み合わせた群分離法について、水による液移送試験及び硝酸を用いての全工程の装置性能試験を実施した結果についてまとめたものである。これらの試験中に発生した不具合は、その都度、手直しを行い、群分離試験装置の運転に反映した。本報にはその経緯と改良点等も併記した。
田中 忠夫; 妹尾 宗明
Radioisotopes, 44(2), p.99 - 102, 1995/02
限外ろ過法で100000MW以上、30000~100000MWおよび5000~30000MWの分子サイズに分画した各フミン酸フラクションについて、Co及びAmの反応性を比較するとともに、各フラクションが有する官能基をFTIRスペクトル解析で調べた。Coと2Amは30000~100000MWのフミン酸フラクションと優先的に反応することが分かった。FTIRスペクトル解析から、100000MW以上のフラクションは主として脂肪族のCOOH、30000~100000MWのフラクションは芳香族のCOOHおよびOH、および5000~30000MWのフラクションは芳香族のCOOHが支配的な反応性官能基であることが見い出された。CoおよびAmとフミン酸との錯形成能のフミン酸分子サイズ依存性は、各分子サイズのフミン酸が有する官能基の種類およびその官能基周辺で生じる立体障害に起因することが示唆された。